ボクシングにおけるジャブは最もよく使われる重要なパンチです。
相手に近い方のこぶしを前方に突きだすだけのシンプルなパンチですが、その役割は多岐にわたり打ち方にも様々なバリエーションがあります。
まずは基本の打ち方を覚えてジャブを使いこなせるようになりましょう。
また、同じ手で放たれるパンチに左ストレートがあるのはご存じの方も少なくないと思います。
しかし、左ジャブと左ストレートの違いはご存じでしょうか?
この記事ではジャブの役割と基本の打ち方、左ストレートとの違いについて解説しています。
※この記事はオーソドックススタイルを対象に解説しています。
ジャブの役割
ジャブは相手に近い前の手で真っすぐに最短の軌道で放たれる最速のパンチです。
一撃必殺の派手さはない地味なパンチですが攻撃の起点となる重要な役割を持っています。
攻撃の一手目はジャブからはじまることが多く様々な用途を持っています。
間合いをはかる
左ジャブは相手に近い手を真っすぐ伸ばして打つパンチなので、ジャブが当たる距離イコール自分の間合いということです。
正確には、このジャブが当たる距離を基準にして攻撃と防御に適した間合いを把握します。
※攻撃と防御に適した間合いはファイトスタイルや得意な攻撃パターンで変わってきます。
牽制
ジャブは相手の攻撃を牽制する用途で使われることもあります。
相手に間合いを詰められたくない場合や相手がパンチを打ってきそうな気配を感じた時にジャブを突くことにより相手が間合いを詰めてくるのを防いだり、パンチのタイミングを崩したりする役割も果たします。
また直接ガードの上からジャブを当てることによりパンチを打ちづらくする効果もあります。
リードパンチ
リードパンチのリードには導くという意味があります。
つまり左ジャブを当てることにより次のパンチを導くという効果をもっています。
左ジャブを起点に次の攻撃に繋げることができます。
その他の用途
その他にもジャブを突くことでガードを外させてフックなどガードを崩したり、目をめがけて相手の視界を塞いだりなどさまざまな用途に使用されます。
ジャブの基本の打ち方
ジャブは他のパンチと違い体の回転を使わずに肩を入れて打つパンチです。
ジャブにはさまざまな用途があるため、それに応じて打ち方も多彩です。
しかし、どの打ち方も基本のジャブを応用したものなので、まずは基本の打ち方を覚えましょう。
基本の打ち方は体の位置によって2種類あります。
ジャブの打ち方
基本の構えからパンチを打つ時は常に左右の重心を移動させて打つタイミングをはかります。
基本の2種類の打ち方はこの重心を置いている位置によって拳の返し方を変える方法です。
ジャブ打ち方の流れ(共通)
① 右足の親指の付け根で地面を押すように蹴り、その反動で左足を半歩踏み込む。
② 左足の踏み込みと同時に左肩を内に入れながら前に押し出すようにして腕を伸ばす。
③ 腕が伸び切る直前に拳を握りながら拳を返す。
④ 手首を返した瞬間に拳をしっかり握りこむ。
※握りこんだ瞬間にパンチが当たるイメージで打ちます。
重心が右にある時
重心が右にある時は拳を返す時に小指側を外側に回すイメージで打ちます。
重心が左にある時
重心が左にある時は拳を返す時に人差し指側を内側に回すイメージで打ちます。
重心の位置によって拳の回し方を変えるのは無駄な力が入らないようにするためです。
パンチは当たる瞬間に力を入れるので無駄な力が入るとスピードもパワーも落ちる上に疲れやすくなります。
試しに右に重心を置いて人差し指側を内側に回してジャブを打ってみてください。
スムーズにパンチが出ず、無駄な力が入っていることに気づくと思います。
ジャブを打つ時の留意事項
・肩の力を抜く
・左右に重心を移動させながらタイミングを計って打つ
・パンチが当たる瞬間にしっかり拳を握る
・右手のガードを下げない
・打った時に顎が上がらないように注意する
左ジャブと左ストレートの違い
左ストレートは体の回転を使って相手にダメージを与える目的で打つ強いパンチです。
肩を押し出す感じで突くイメージの左ジャブとは違い、
連続で打つことは少なくコンビネーションのフィニッシュに使われることが多いパンチです。
左ストレートは左ジャブに混ぜて強弱をつけることで有効なパンチになります。
まとめ
ジャブはボクシングの最も基本となるパンチです。
強いボクサーは皆ジャブの使い方が上手いです。
ジャブを制するということはボクシングで重要な間合いを制するということです。
シンプルなパンチですが奥の深いパンチです。
はじめは早く打つよりも正確なフォームで打てているか確認しながら練習してください。
きれいなジャブを打つことができれば他のパンチも自然ときれいなフォームで打てるようになります。
焦らず確実にマスターしていきましょう。
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